
野菜工場
最近、農業分野への企業参入が注目されている。
今のところ、国内で約40の野菜工場が稼動しているようだが、食の安全・安心のニーズの高まりや国内の自給率を向上させる手段として、今後も参入の動きが拡大しそうである。
そこで、現在の食料・農業問題をめぐる情勢と今後について記述してみた。
1.世界の食料需給は、途上国の人口増と経済発展で、ひっ迫した状態にある。
2.現在、国内の自給率40パーセントを向上させるために、農地や担い手の確保が必要。
3.食の安全と消費者の信頼を確保する事が必要。
これらの問題を解決するためには、工場野菜のように気候や土地に関係なく、無農薬で品質を落とさず連続で生産出来る、安定供給が可能なシステムが必要なのだろう。
しかし、参入企業が必要以上に増える事で、大量生産が供給過多を招いて価格破壊の悪循環に陥り、やがて破産してしまう工場や農家が多発してしまったり、太陽と土に触れていない野菜が本当に健康的な食料と言えるのだろうかと考えてしまう。
また、工場野菜が主流になることで、自然の恩恵を受けて食べ物を頂いている事への感謝の心が希薄になってしまうのではないかと危惧している。
便利なものが出来るたびに、先人から伝えられてきた当たり前の事が忘れ去られているが、本当に大切な事は守らなければならないと思う。